英紙ガーディアンが選ぶ2016年の映画1位は『アノマリサ』、米国版1位は『ムーンライト』に！

『アノマリサ』の1場面より

イギリスの大手新聞ガーディアンは12月15日、カウントダウンで発表していた「2016年にイギリスで公開された映画トップ50」の1位に、チャーリー・カウフマン監督のストップモーションアニメ作品『アノマリサ』を選出した。2位はネメシュ・ラースロー監督のハンガリー映画『サウルの息子』、3位はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』。

また、同様に「2016年にアメリカで公開された映画トップ50」も発表され、1位にバリー・ジェンキンス監督の『ムーンライト』、2位にデイミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』とマーレン・アーデ監督のドイツ映画『トニ・エルトマン（Toni Erdmann）』の2作品が選ばれた。

それぞれ、トップ10は以下のようになった。

「2016年にイギリスで公開された映画トップ50」 1～10位
1位『アノマリサ』（チャーリー・カウフマン／デューク・ジョンソン監督）
2位『サウルの息子』（ネメシュ・ラースロー監督）
3位『メッセージ』（ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督）
4位『胸騒ぎのシチリア』（ルカ・グァダニーノ監督）
5位『海は燃えている～イタリア最南端の小さな島～』（ジャンフランコ・ロッシ監督）
6位『Love & Friendship』（ホイット・スティルマン監督）
7位『Little Men』（アイラ・サックス監督）
8位『レヴェナント』（アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督）
9位『ウィーナー　懲りない男の選挙ウォーズ』（ジョシュ・クリーグマン／エリース・スタインバーク監督）
10位『ソーセージ・パーティー』（コンラッド・ヴァーノン／グレッグ・ティアナン監督）

「2016年にアメリカで公開された映画トップ50」 1～10位
1位『ムーンライト』（バリー・ジェンキンス監督）
2位『ラ・ラ・ランド』（デイミアン・チャゼル監督）
2位『トニ・エルトマン』（マーレン・アーデ監督）
3位『メッセージ』（ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督）
3位『Elle』（ポール・ヴァーホーヴェン監督）
4位『胸騒ぎのシチリア』（ルカ・グァダニーノ監督）
5位『ジャッキー』（パブロ・ラライン監督）
6位『海は燃えている～イタリア最南端の小さな島～』（ジャンフランコ・ロッシ監督）
7位『Love & Friendship』（ホイット・スティルマン監督）
8位『Little Men』（アイラ・サックス監督）
9位『お嬢さん』（パク・チャヌク監督）
10位『ウィーナー　懲りない男の選挙ウォーズ』（ジョシュ・クリーグマン／エリース・スタインバーク監督）

『アノマリサ』は『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』の脚本や『脳内ニューヨーク』の監督で知られるアメリカのチャーリー・カウフマンによる90分のストップ・モーションアニメ作品で、クラウドファンディングで資金を集めたという異色作。2015年のヴェネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞。第88回アカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされた。残念ながら日本国内では劇場未公開のままDVD発売されている。

『サウルの息子』はアウシュビッツ強制収容所での遺体処理に関わるユダヤ人「ゾンダーコマンド」の一員である男を主人公に描いた作品で、2015年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞、第88回アカデミー賞では外国語映画賞に輝いた。

ちなみに、この2作はいずれもアメリカでは2015年に公開されており、一年前の「2015年にアメリカで公開された映画トップ50」では、『サウルの息子』が1位に、『アノマリサ』は4位にランクインしていた。