マーティン・スコセッシ

Martin Scorsese

1942年生まれのアメリカ、ニューヨーク出身の映画監督。「スコシージ」と表記されることもある。

ニューヨークのリトル・イタリーで、シチリア系移民の家庭に生まれ育ち、ニューヨーク大学で映画を学ぶ。1967年に長編デビューとなる『ドアをノックするのは誰?』を監督した。この作品ではハーヴェイ・カイテルが主演を務めた。

その後、1972年に『明日に処刑を…』、1973年に無軌道な若者を描いた『ミーン・ストリート』を監督。『ミーン・ストリート』はロバート・デ・ニーロやハーヴェイ・カイテルが出演し、作品とともに鮮烈な印象を残した。

1976年にはニューヨークを舞台にした『タクシードライバー』でカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞し、一躍国際的な評価を得た。この作品でも主演のロバート・デ・ニーロが強烈な印象を残し、子役として出演したジョディ・フォスターの演技も話題を呼んだ。

1980年の『レイジング・ブル』でもロバート・デ・ニーロが実在のボクサーをモデルにその破天荒な人生を演じ、アカデミー賞の各部門にノミネートされるなど(デ・ニーロは主演男優賞を獲得した)、大きな評価を得ることとなった。
デ・ニーロとのコンビは1995年の『カジノ』まで続き、『キング・オブ・コメディ』(1983)、『グッド・フェローズ』(1990)など、多数の傑作を生み出し、名コンビとして知られた。

1986年の『アフター・アワーズ』でカンヌ国際映画祭で監督賞、インディペンデント・スピリット賞作品賞を受賞。

2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』からはレオナルド・ディカプリオとコンビを組むことが増え、2006年、ディカプリオ主演の『ディパーテッド』では念願のアカデミー賞作品賞を受賞。ゴールデングローブ賞などその他の映画賞も総なめにした。

ニューヨークを舞台にした作品が多く、自身が生まれ育ったイタリア系移民社会や、マフィアを描いた作品も多い。『ミーン・ストリート』や『タクシードライバー』はアメリカン・ニューシネマの影響も受け、無軌道で暴力におぼれる若者を鮮やかに描き出した。マフィア・ギャングといったテーマは近年でもしばしば登場し、『カジノ』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『ディパーテッド』などに見られる。『グッド・フェローズ』ではニューヨークの末端マフィアの危険な生業を描き出し、フランシス・F・コッポラ監督のマフィア映画の金字塔である『ゴッド・ファーザー』と対照的に語られることも多い。

また、ロックをはじめとする音楽に愛着が深いことで知られ、映画内で使用しているだけでなくロックにまつわるドキュメンタリー映画も多数監督している。

フィルモグラフィー(監督作一覧)

作品名 担当 製作年
ドアをノックするのは誰? 監督
脚本
1968
明日に処刑を… 監督 1972
ミーン・ストリート 監督
脚本
製作
原案
1973
アリスの恋 監督 1974
タクシードライバー 監督 1976
ニューヨーク・ニューヨーク 監督 1977
ラスト・ワルツ 監督
(ドキュメンタリー)
1978
レイジング・ブル 監督
脚本
1980
キング・オブ・コメディ 監督 1983
アフター・アワーズ 監督 1985
ハスラー2 監督 1986
最後の誘惑 監督 1988
ニューヨーク・ストーリー 監督
(オムニバス作品)
1989
グッドフェローズ 監督
脚本
1990
ケープ・フィアー 監督 1991
エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事 監督
脚本
1993
カジノ 監督
脚本
1995
クンドゥン 監督 1997
マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行 監督
脚本
出演
(ドキュメンタリー)
1999
救命士 監督 1999
ギャング・オブ・ニューヨーク 監督
製作
2002
アビエイター 監督 2004
ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム 監督
(ドキュメンタリー)
2005
ディパーテッド 監督
製作
2006
ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト 監督
出演
(ドキュメンタリー)
2008
シャッター アイランド 監督
製作
2009
ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド 監督
製作
(ドキュメンタリー)
2011
ヒューゴの不思議な発明 監督
製作
2011
ウルフ・オブ・ウォールストリート 監督
製作
2013
沈黙 -サイレンス- 監督
脚本
2016