アン・リー

李安/Ang Lee

1954年、台湾生まれの映画監督。

台湾の国立芸術専門学校に通い、卒業後はアメリカのイリノイ大学の演劇科、ニューヨーク大学の映画製作科で学んだ。

1991年の『推手』で長編デビュー。
1993年の『ウェディング・バンケット』で、第43回ベルリン国際映画祭にて最高賞の金熊賞を受賞。アメリカでも話題を呼び第51回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞と、第66回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。
続く『恋人たちの食卓』(1994)でも第52回ゴールデングローブ賞外国語映画賞、第67回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。また、英国アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされている。
なお、『推手』『ウェディング・バンケット』『恋人たちの食卓』は「父親三部作」と呼ばれる。

1995年の『いつか晴れた日に』ではアメリカ進出を果たし、この映画で2度目のベルリン国際映画祭金熊賞に輝く。第68回アカデミー賞でも7部門にノミネートされた。

2000年には、中国・香港・台湾・アメリカ合作のアクション大作『グリーン・デスティニー』を監督。派手なワイヤー・アクションと美しい映像が注目され、大ヒットした。この作品では第73回アカデミー賞で10部門ノミネート。外国語映画賞や撮影賞、美術賞、作曲賞の4部門で受賞し、一躍ハリウッドでスター監督の仲間入りを果たした。
2003年には『ハルク』の監督に抜擢。

2005年には、男性同士の恋愛を扱った『ブロークバック・マウンテン』を監督、アメリカの大自然をバックにした深遠な人間ドラマは高く評価され、ヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞、ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞ほかを獲得。アカデミー賞でも監督賞など3部門を受賞した(ノミネートは最多8部門)。この映画は興行的にも成功した。

2007年には、トニー・レオン主演で日本軍占領下の中国を舞台にした『ラスト、コーション』を監督。またしてもヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞を受賞した。

2012年には3D映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』を監督。第85回アカデミー賞では11部門ノミネートされ、監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞の最多4部門を受賞した。

アメリカや台湾、中国を舞台とした作品を扱い、濃密なドラマからアクション、アドベンチャーまで幅広く監督しており、そのいずれでも興行的な成功と批評家からの高い評価を得ている。

フィルモグラフィー(監督作一覧)

作品名 担当 製作年
推手 監督
脚本
製作
1991
ウェディング・バンケット 監督
脚本
製作
1993
恋人たちの食卓 監督
脚本
1994
いつか晴れた日に 監督 1995
アイス・ストーム 監督
製作
1997
楽園をください 監督 1999
グリーン・デスティニー 監督
製作
2000
ハルク 監督 2003
ブロークバック・マウンテン 監督 2005
ラスト、コーション 監督
製作
2007
ウッドストックがやってくる! 監督
製作
2009
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 監督
製作
2012
ビリー・リンの永遠の一日 監督 2016